ビーシュリンプを飼育する上で、楽しみの一つは「繁殖」です。繁殖は様々な条件によってその行方は左右されます。「必ず」繁殖する方法は存在しませんが、飼育を続けていけば自分なりのコツが分かるようになってきます。
3ヶ月で繁殖可能に
まず、ビーシュリンプは孵化後、3か月で全長2㎝に達してメスは抱卵することができます。メスは卵を腹部に抱えています。最初は卵の色は茶褐色ですが、孵化が近くなると透明になり、稚エビの目が確認できます。
一度に30~60個の卵を持つと言われていますが、最近は近親交配の影響で体長が小さくなり、20個~30個に減少しているとも言われています。
抱卵から孵化までの日数は?
繁殖をさせるには、ある程度の個体数をとりたいなら、メスを多めにして、オス2~3匹に対してメス7~8匹が目安です。抱卵から孵化までのおおよその日数は以下の計算式を用います。
600÷水温≒日数
飼育を初めたばかりであるならば、最初は質よりも量で、なるべく多くの個体を繁殖させることを楽しんでみましょう。
稚エビの餌は?
孵化したのに稚エビが育たない、いつの間にか居なくなっているということがある場合は、餌不足が原因です。孵化してから1週間くらいの期間は脱皮を繰り返して成長をしていますが、この時に栄養を蓄えられないと脱皮不全で死んでしまいます。
ある程度成長するまでは、水中のバクテリアなどを餌として食べています。バクテリアなどは光合成をして生きているので、適度な光量は必要になります。繁殖、稚エビの為にも、ライトを照射した方がよいでしょう。
水流と水質も重要
他に考えられる原因は「水流」です。水流が弱いとビーシュリンプの活性が落ちます。適度な水流を作り出し、ビーシュリンプが活発に泳げる環境を作りましょう。
ビーシュリンプが抱卵しない時は何かしらの原因が考えられます。抱卵しないなと思ったら飼育環境を見直します。
そして重要なのは「水質」です。
PHや硬度が高いとビーシュリンプは抱卵しない傾向にあります。まずは水質の異常がないか確認しましょう。
また、ろ過装置がしっかりと働いているか、フィルターやソイルが汚れていないか確認しましょう。汚れが溜まっていたら水質悪化の原因になりますので、アンモニア、亜硝酸、硝酸塩のチェックをして、必要があれば水換えをしてください。
また、オス、メスがいるか確認しましょう。水槽内のビーシュリンプがオスだけ、メスだけということも考えられます。個体を入れ替えたり、餌を変えたりすることが刺激になり、抱卵に繋がることがありますので、それらも有効です。
稚エビが孵化したら、親エビと一緒に飼育しても問題はありません。
親エビが稚エビを食べることはありませんが、そのまま同じ水槽で増やし続けると過密飼育になり、餌が行き渡らなくなり、成長が速度が遅くなります。
そのような理由から、稚エビと親エビの別水槽にわける場合は、ビーシュリンプは水質に敏感なので、個体を移動させる時は注意が必要です。抱卵個体を別水槽に動かしたショックで、次の抱卵が止まってしまうケースもあります。また、稚エビを動かした水槽の環境が、今までいた水槽と大きく水質が異なる場合は、死んでしまうこともあります。
稚エビと親をエビを簡単に分ける為に、水槽の縁に引っかけて水槽の水を循環させるタイプの「隔離ケース」というものも販売されていますので、おススメです。